元彼がストーカーになる③

窓にしがみついたその男を振り落すため、蛇行運転をし何mかひきずった。

 

住宅街の出来事だったため、近所の人が通報してくれていた。

慌てて両親・妹弟が私の無事を確認し、安どしていた。

 

でも警察が来た直接の原因は事故のため、彼を捕まえるためではない。

彼は被害者となったのだ。

 

警察に連れて行かれ、取り調べを受けることになる私。

もうイライラはピークだった。

でもストーカーの相談をしていた履歴があったこと救いだった。

私がむやみやたらと運転して事故を起こそうとしたわけじゃないことは分かってもらえた。

そして近所の人や私の友人、周りの人はみんな彼のおかしな行動を証言してくれた。

 

でも、その方法しかなかったのか。

話し合って解決できなかったのか。

 

警察には何度も言われた。

当時ストーカーという言葉は認知されておらず、ストーカー規制法ができたのは2000年。

私がこの仕打ちを受けたのは1999年のことだ。

だから彼は特に何も裁かれることはない。

私の家族の生活リズムは狂い恐怖と戦ってきた3ヶ月。

民事で訴えてやろうと弁護士に相談した所、即刻彼の親が謝罪に来た。

慰謝料という名の大金を持って。

到底許す気になれなかった。

 

でも彼は、私と別れる原因になった女とこの事件の直後すぐ結婚した。

なんと妊娠していたのだ!

ますます意味が分からない。

私の家族をつけ回しながら彼女を孕ませていたのだ!

早期に解決させようとした理由はこれか!

 

腹が立つを通り過ぎて、もはや恐ろしい。

こういうことを平然とやってのける人間がいるのだと初めて知った。